「テキーラ」の国、「タコス」の国、真っ赤な太陽の恵みを受けた情熱的な国…、メキシコと聞いて皆様はこのようなイメージを抱いたのではないでしょうか…?
しかし、メキシコの魅力はこれだけではありません。そこは鮮やかな色彩に満ちた芸術の都でもあるのです。
メキシコを代表する芸術は、大学や図書館などの公共建築物に描かれた壮大なスケールの壁画の数々です。三大巨匠であるディエゴ・リベラやホセ・クレメンテ・オロスコ、ダビッド・アルファロ・シケイロスは民衆を主人公に描いたメキシコの歴史や、生命の営みをモチーフにした力強さのみなぎった作品を残しました。 また、彼らは1920年代「芸術の革命」とも言われる壁画運動を起こし、その当時、一握りの裕福な上流階級の間だけのものだった芸術を大衆のものとして仕立て上げたのでした。
壁画を中心としたメキシコの芸術は、岡本太郎、北川民次、藤田嗣治といった日本の著名な作家にも大きな影響を与えました。岡本太郎は大阪万博で大衆のための芸術・「パブリック・アート」である『太陽の塔』や壁画も制作し、北川民次はメキシコの祭り風景や、労働者たち、また母子像や家族などの民衆をモチーフにした素朴ですが生命力あふれる数多くの作品を描きました。特に北川民次の絵画は、それまでフランス画壇にしか目を向けていなかった日本の芸術家たちに多大な反響を及ぼしました。
このようにメキシコが日本にもたらしたものはテキーラやタコスにとどまらず、美術界においても革命をもたらしてくれました。皆様ももしメキシコに行かれる機会がありましたらぜひ、壁画鑑賞も楽しんでみてください。実は私もまだ壁画というものを写真などでしか見たことがありませんので、実際に自分の目で見てみたいと強く願っています。そのスケールに圧倒されるのはもちろんのこと、でもきっとそれ以上に大きなエネルギーやパワーを与えてくれると思います。
今回のコラムは名古屋本社の宮野が担当いたしました。情熱の国・メキシコの芸術や、その文化を築きあげた人々のたくましさ・力強さを皆様にお伝えすることができたなら幸いです。
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