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UPDATE 07/08/10

7月7日 兵庫県立美術館にて


  つい先月、兵庫県立美術館で行われていました日本近代画家の『絶筆展』に行ってきました。数々の巨匠画家の絶筆作品が展示されていましたが、中でも僕が衝撃を受けた作家は古賀春江の作品でした。

 古賀春江は、わずか38年という歳月を様々な前衛的作風で活躍した天才画家です。当初水彩画家として出発した古賀春江は、二科展に初入選した後に油彩画も手がける様になり、徐々に注目され始めます。1920年半ば頃はパウル・クレーの影響を受けたと見られる童画風の作品を描いていましたが後半には画風を一変し、日本におけるシュレアリスム絵画の現われとして一躍脚光を浴びます。

 しかし、そんな輝かしい画業人生から突如悲劇が起こります1939年から古賀春江は病に侵されます。当時古賀春江と親しかったのが、小説家で有名なあの川端康成でした。川端は、病気の治療をずっと拒み続け周囲を困らせていた古賀春江を親身になって説得し、入院させました。その入院直前まで、病に苦しみながら仕上げた作品が今回展示されていた『サーカスの景』という作品です。完成した作品にサインを入れる時にはついに古賀春江の病が高じ、手が震えてサインが書けず、画家の高田力蔵に頼んでそっくりに代筆してもらったほどでした。

 この作品が二科展に出品された直後に、古賀春江は危篤に陥り間もなく死去しました。画家の執念を思わせるまさに『絶筆作品』です。

 我々美術商は日々様々な作品を扱っています。時として判断を誤ったり、時として作品に対しての感動が鈍くなることもあると思いますが、今回の古賀春江の作品が僕にとっては本当に衝撃を受けた作品でした。

 美術品は生活必需品では無いですし、どちらかといえば贅沢品だと思います。しかし眺めた時に心が洗われ気持ちが高揚できれば、それはその人にとって最高の価値があるのではないでしょうか。そんなことを考えつつ、次に見に行こうと思っている展示会を探している今日この頃です。


大阪支社 高山






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