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大橋翠石 オオハシ スイセキ

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大橋翠石

生家は岐阜県安八郡大垣北新58番戸(大垣市新町2丁目)祖父は長左衛門、父は大橋亀三郎といい紺屋を業としていた。母・さとは多芸郡船附村(養老町)吉安の出で、この吉安家は後に東京千住に移籍した。これに2男1女があり長男・鎌三郎は紺屋を継いだが、翠石が画家として有名になってからは自身も画家となって「万峰」(まんぽう)と号して虎画を描いた。次男が卯三郎(翠石)で、宇一郎を自称した。妹ゑ津(えつ)は1898年(明治31年)に名古屋市桑名町杉山竹次郎に嫁した。

翠石は幼少の頃から画を描く事を好み、地元大垣の南画家戸田葆堂、その師である京都の天野方壷らに就いて画の手ほどきを受けた。方壷のもとでしばらく学んだ後、一時大垣に帰郷したが。母に諭されて、東京に出て、渡辺小崋に入門した。その後、母と小崋の急死に伴って大垣に帰郷し、明治24年(1891年)濃尾大震災で父を亡くす。震災後に虎の見せ物小屋で虎を実見したことを契機として虎画の制作を精力的に行うようになった。翠石の虎画では毛描きの緻密さが特徴であり、翠石自身も「この毛描き以上の工夫がなければ、翠石の虎画を模しても翠石以上の者はでないであろう」と家人に語ったという。

その後1912年(大正元年)に、神戸市現在の須磨区に移住した。この移住は、当時結核治療の先進地域であった須磨で自身が患った結核の治療を受けるためのものであったと考えられる。神戸移住後、武藤山治や松方幸次郎ら、阪神間の政財界の人々が後援会を結成して支援している。虎の絵は神戸でも評判となり、当時「阪神間の資産家で翠石作品を持っていないのは恥」とまで言われたという。勇猛な虎の画風とは対照的に、翠石ははにかむような静かな人柄だったと言われ、一時の名声に執着することなく恬淡と好きな虎の絵を描き続けた。

翠石の画業の中では、神戸・須磨での活動期間が最も長く、この地で制作された作品には背景に遠近感や立体感のある山林や雲などを描く特色あるものが多い(須磨様式)。 また、虎以外にも獅子、鶴、金魚、狸、鹿、猫、兎などの動物画も多い。動物画以外にも観音像、山水、蛍などの作品もあり、その画域は広い。

1945年(昭和20年)3月17日の神戸空襲後の4月に大垣に疎開したが、安八郡大垣北新58番戸(大垣市新町2丁目)は街中にあるため郊外の家を借りて臥した。8月15日に終戦を迎えた後、新町の実家に戻り、8月31日、老衰のため午前4時に亡くなった。享年81。 弟子に三尾呉石など。

■ 画暦
1895年(明治28年)
4月 - 31歳の時、京都で開かれた第4回内国勧業博覧会に「虎図」初出品、褒状・銀牌
11月 - 京都青年絵画共進会に「月下虎図」出品(2等賞)
1896年(明治29年)5月 - 大阪私立絵画共進会には「月下の虎図」を出品
1897年(明治30年)5月 - 京都第1回全国絵画共進会に出品 4等、東京美術協会展に出
1898年(明治31年) - 日本美術画会出品、東京美術協会展出品
1899年(明治32年) - 大阪南画展覧会 2等、愛知全国絵画共進会に出品
1900年(明治33年) - パリ万国博覧会で「猛虎図」が優勝金牌を受賞
1901年(明治34年) - 宮内庁御用品となる
1903年(明治36年) - 農商務省主催第5回内国勧業博覧会 2等
1904年(明治37年) - アメリカセントルイス万国博覧会 優勝金牌を受賞
1907年(明治40年) - 東京府勧業博覧会に獅子図を出品する
1910年(明治43年) - 日英博覧会 金牌
1913年(大正2年) - 宮中に虎図を納入し350円下賜
1918年(大正7年) - 大垣新町の菅原軕の見送りに最初の虎画を描く
1924年(大正13年) - 大垣新町の菅原ヤマの見送りに極彩色の虎画を描く
1925年(大正14年) - 名古屋美術倶楽部で大橋翠石新作画展を開催
1926年(大正15年) - 名古屋松坂屋で大橋翠石絵画展覧会を開催
1927年(昭和2年) - 東京上野日本美術協会で翠石百幅展が開催される。
※発起人は東郷平八郎、金子堅太郎、団琢磨ほか

1865 岐阜県に生まれる
1898 日本美術画会、東京美術協会出品
1900 パリ国博覧会で優勝金牌受賞
1901 宮内庁御用品となる
1904 アメリカセントルイス万国博覧会優勝金牌受賞
1910 日英博覧会 金牌
1919 橋本間雪らと神戸絵画協会をおこす
1945 死去

大橋翠石の鑑定機関・鑑定人

東美鑑定評価機構

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