【岐阜県の絵画買取】|川合玉堂をはじめ、県ゆかりの有名画家紹介と作品価値を解説

  • 前田青邨
  • 岐阜県
  • 川合玉堂
  • 日本画
  • 洋画
  • 熊谷守一
  • 絵画買取
  • 美術品買取

戦国武将・織田信長の居城として栄え、伝統工芸の美濃和紙でも知られる岐阜県。その豊かな自然と文化は古くから芸術家たちの創作意欲を刺激し、数多くの優れた絵画を生み出してきました。四方を山々に囲まれ、清流長良川が流れるこの地は、壮麗な風景と歴史ロマンが息づく「芸術のふるさと」といえるでしょう。

この記事では、岐阜県にゆかりのある3人の画家にスポットライトを当てます。

  • 川合玉堂:幼少期を岐阜で過ごし、長良川の鵜飼など郷土の情景を描いた近代日本画の巨匠。
  • 前田青邨:中津川市出身で、武者絵(歴史画)を得意とし日本美術院を支えた文化勲章受章者。
  • 熊谷守一:恵那生まれ、「画壇の仙人」と呼ばれ身近な生き物をユーモラスに描いた洋画家。

彼らが岐阜の地とどのように関わり、どんな作品世界を切り拓いたのか。そして、その作品が現代の美術市場でどのように評価されているのかを解説していきます。

もしかしたら、あなたのご自宅やご実家の蔵に、大切にしまわれている一枚の絵画が、これら岐阜ゆかりの巨匠とつながりのある 価値ある作品 かもしれません。この記事が、その発見のきっかけとなれば幸いです。

川合玉堂:長良川の情景を愛した日本画の巨匠

どんな人?経歴とプロフィール

川合玉堂(かわい ぎょくどう、1873~1957)は明治から昭和にかけて活躍した日本画家です。愛知県に生まれましたが少年期に岐阜市に移り住み、この地で絵に親しみました。京都で望月玉泉、幸野楳嶺に師事し、のちに上京して橋本雅邦にも学びます。伝統的な大和絵と写生を重視した画風で頭角を現し、帝展や院展で活躍。東京美術学校(現・東京藝術大学)教授、日本芸術院会員となり、昭和15年(1940年)に文化勲章も受章しました。画壇の重鎮として横山大観らとともに「近代日本画の巨匠」と称されました。

岐阜県との素敵な関係

玉堂は幼い頃に岐阜で過ごした経験から、郡上八幡の清流や長良川の鵜飼といった岐阜の風物に深い愛着を抱いていました。岐阜の豊かな自然は彼の創作の原点の一つで、実際に長良川の鵜飼を題材にした作品も残しています。また、美濃和紙の産地として知られる岐阜では、質の高い和紙が身近な存在でした。玉堂も、こうした良質な和紙に支えられながら、日本の風景を描く日本画家としての基盤を育んでいきました。

ここがスゴイ!作品の世界観と特徴

川合玉堂の作品の魅力は、四季折々の日本の自然美を詩情豊かに描いた風景画にあります。彼は水辺や山里の何気ない情景を丹念に観察し、柔らかな筆致と淡い色彩で描写しました。例えば、早春の川面に散る桜を描いた代表作《行く春》では、静かな水辺に季節の移ろいと郷愁が詰まっています。大胆な余白の活かし方や、墨と彩色の巧みなバランスも玉堂作品の特徴です。それまで装飾性の強かった日本画に、身近な自然を主題とする新風を吹き込み、日本人の心に訴えかける風景画を確立しました。また、「玉堂様式」とも呼ばれる落ち着いた画風は、観る者に安らぎと懐かしさを与え、世代を超えて愛されています。

代表作と出会える場所

《鵜飼》

鵜飼

長良川の夜を舞台に、篝火(かがりび)に照らされた鵜匠と鵜(う)が描かれた作品。水面を照らす炎の揺らめきと伝統漁法の躍動感が見事に捉えられた、岐阜ゆかりの代表作です。

(所蔵:東京藝術大学大学美術館等)

《行く春》(1916年)

晩春の桜吹雪舞う渓流を描いた屏風作品。玉堂の名を不朽にし、重要文化財にも指定されている名作です。

(所蔵:東京国立近代美術館

《彩雨》《峰の夕》など

全国の美術館やコレクションにも多くの作品が収蔵されています。岐阜県美術館でも玉堂作品が企画展などで紹介されることがあり、郷土が育んだ日本画の巨匠の世界に触れることができます。

気になる価値は?市場での評価と買取のポイント

川合玉堂の作品は、日本画壇を代表する画家のものとして美術市場で安定した高い評価を得ています。なかでも風景画の大型作品や肉筆画は人気が高く、美術館級の作品がオークションに出れば高額落札される傾向があります。例えば《行く春》のような代表作は個人が取引することはほぼありませんが、四季の山水や農村風景を描いた掛軸や屏風、色紙などは市場に出回ることもあり、保存状態が良ければ高価買取が期待できます。

玉堂は贋作も少なくありませんので、真贋の鑑定書類や作品の来歴(いつ誰が購入したか)がはっきりしていると査定額アップにつながります。また、「玉堂筆」「玉堂」とサインがある直筆のスケッチや書簡もコレクターに人気があります。

▼写真を撮って送るだけ!最短60秒で完了▼

LINEであなたの絵画の価値を無料で調べてみる

前田青邨:中津川市が生んだ歴史画の大家

どんな人?経歴とプロフィール

前田青邨(まえだ せいそん、1885~1977)は岐阜県中津川市出身の日本画家で、歴史画の分野で高名な画家です。幼い頃から絵の才能に恵まれ、十代半ばで上京して梶田半古に入門しました。その後、日本美術院の再興に参加し、横山大観らとともに院展で活躍します。昭和30年(1955年)に文化勲章を受章し、日本芸術院会員、東京藝術大学教授も務めました。日本画壇の発展に大きく貢献した人物です。

岐阜県との素敵な関係

青邨は生涯にわたり故郷・中津川とのつながりを大切にしました。地元の風土や歴史への愛着は、彼の創作の原動力の一つでもあります。中津川では、現在も青邨の生家が老舗商店として残り、2階に「前田館」というギャラリーが設けられていて、彼の作品や書簡などが展示されています。また、岐阜県美術館では開館40周年を記念して大規模な青邨展が開催されるなど、郷土が生んだ偉人として顕彰されています。青邨自身も故郷に作品を寄贈するなどの活動を行い、地元文化の発展に寄与しました。岐阜の歴史的風土が、青邨の創作魂を支え続けたと言えるでしょう。

ここがスゴイ!作品の世界観と特徴

前田青邨の真骨頂は、甲冑武者や歴史上の人物を題材にした重厚な歴史画にあります。たとえば代表作の《洞窟の頼朝》では、源頼朝が敗走中に洞窟で再起を図る場面を緻密に描き、鎧兜の質感や陰影の表現が見る者を圧倒します。青邨は史実考証にもこだわり、当時の装束や風俗を丹念に調べ上げて作品に活かしました。一方で、《紅白梅》《鶺鴒(せきれい)》といった花鳥画では、雅やかな色彩と繊細な筆づかいで日本情緒を表現し、静かな趣きをたたえています。このように壮大な歴史画から身近な自然画まで幅広い作風を持ちつつ、一貫して格調高い美を追求したのが青邨なのです。伝統的な大和絵の技法に独自の写実性を融合させ、新時代の日本画の可能性を切り拓いた点も「画壇の革新者」として評価されています。

代表作と出会える場所

《洞窟の頼朝》(1929年)

前田青邨 歴史画の名手!

源頼朝主従を描いた大作で、現在は国の重要文化財に指定されています。岐阜県美術館でも特別展で展示されたことがあり、その圧巻のスケールに多くの人が魅了されました。

(所蔵:大倉集古館

《羅馬使節》(1927年)

ローマ法王の使節が、戦国時代の日本を訪れた場面を描いた作品。青邨のもう一つの代表作として知られる歴史画です。

(所蔵:早稲田大学會津八一記念館

《大物浦》《異装行列の信長》など

《平家物語》や織田信長を題材にした名作の数々です。代表作を多数収蔵する記念館などで、青邨芸術の全貌に触れることができます。

(所蔵:山種美術館

気になる価値は?市場での評価と買取のポイント

前田青邨の作品は、現在の美術市場において安定した評価を受けています。特に武者を描いた大作や肉筆下絵などは、美術館やコレクターが注目し、高額で取引されることがあります。例えば鎧武者を描いた掛軸や屏風は、青邨の代名詞的ジャンルであり、保存状態やサイズによっては数百万円単位での買取例も期待できます。

一方、小品のスケッチや色紙などでも、青邨直筆であれば需要があり、直筆サインや落款が確認できる作品なら評価はプラスになります。青邨は戦前から活動していたため古美術市場に作品が流通するケースもあり、贋作対策として真筆証明書や鑑定書の有無が重要です。東美鑑定評価機構が所定鑑定機関となりますので、売却前に鑑定を取っておくとスムーズでしょう。

また、題材によって市場人気が異なり、源氏物語や平家物語など有名題材の作品は特に好まれる傾向があります。岐阜ゆかりの巨匠・前田青邨の作品をお持ちなら、その歴史的価値も踏まえて専門家に査定してもらうことをお勧めします。

熊谷守一:身近な命を描いた“仙人”洋画家

熊谷守一

どんな人?経歴とプロフィール

熊谷守一(くまがい もりかず、1880~1977)は岐阜県恵那郡(現・中津川市付知町)に生まれ、独自の画風で知られる洋画家です。幼い頃から絵が好きで、20歳で東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科に入学し、黒田清輝や藤島武二らに師事しました。在学中には青木繁・山下新太郎らと同期で、文展に入賞するなど才能を発揮します。その後一時郷里に戻り苦労もしましたが、再上京して制作を続け、大正から昭和にかけて二科展などで活躍しました。作品を描き続けるため俗世を離れた暮らしぶりから「画壇の仙人」と呼ばれ、97歳で亡くなるまで絵筆を握り続けました。なお、晩年には文化勲章の打診がありましたが、辞退したエピソードも有名です。

岐阜県との素敵な関係

熊谷守一は岐阜の山里で生まれ育ったことで、幼少期から昆虫や草花、小動物など身近な自然に親しみました。この原体験が彼の画風に大きな影響を与えています。現在、中津川市付知町には多数の作品を収蔵する「熊谷守一つけち記念館」があり、ふるさとの自然に囲まれた環境で熊谷芸術を堪能できます。熊谷自身は長く東京に住みましたが、故郷・岐阜の自然への愛は終生失われず、故郷に錦を飾る形で地元記念館の設立に娘の熊谷榧(かや)氏が尽力しました。穏やかな田舎町で過ごした少年時代こそ、熊谷芸術の原風景だったのです。

ここがスゴイ!作品の世界観と特徴

熊谷守一の作品は、一見すると子どもの絵のようにシンプルですが、実は長年の観察と探究が凝縮された独自の世界観を持っています。彼は自宅の庭に寝転がって小さな虫や草花を何時間も観察し、そこから得たインスピレーションをユーモラスな造形で描き出しました。特徴的なのは、鮮やかな色彩と太くはっきりした輪郭線(時には赤い輪郭)による平面的表現で、対象の本質を捉える簡潔さです。代表的なモチーフは猫や蟻、鳥や蝶など身の回りの生き物たち。例えば《猫》《蟻》といった作品群では、背景を省略し主体だけを大らかな筆致で描くことで、観る者に温かみとユーモアを感じさせます。これらの作風は「熊谷様式」とも称され、美術館でも重要コレクションとして扱われています。

代表作と出会える場所

《動物画》など

熊谷守一 -仙人と呼ばれた画家-

ユーモラスな動物画の世界を堪能できる作品群です。

(所蔵:熊谷守一つけち記念館

《アゲハ蝶》

椿と蝶

熊谷が長年暮らした自宅跡に建つ美術館で見られる作品。晩年の傑作を含み、常時入れ替え展示されています。

(所蔵:豊島区立熊谷守一美術館

《蝋燭》

暗闇で灯だけを頼りに描いた初期の自画像など。ほのぼのとした中に哲学を感じさせる熊谷芸術です。

(所蔵:愛知県美術館岐阜県美術館

気になる価値は?市場での評価と買取のポイント

熊谷守一の作品は、没後もそのユニークさから国内外で根強い人気を保っています。とりわけ晩年のシンプルでカラフルな作風の油彩画はコレクターに需要が高く、猫や蝶、蟻など代表的モチーフの作品はオークションでも高値傾向です。具体的には、紙に水彩で描かれた小品の動物画でも数十万円、人気の高い油絵の白猫などであれば、なんと数千万円の値がつくことも?

版画作品も多く残しましたが、熊谷本人が監修した限定版画(直筆サイン入り)であれば評価対象になります。一方、熊谷は模倣しやすい画風ゆえに贋作も存在すると言われます。そのため、作品の種類によって所定の鑑定機関が異なります。水墨画は「熊谷守一水墨淡彩画鑑定登録会(京橋画廊内)」、油彩画は「東美鑑定評価機構」が所定機関となりますので、真贋が心配な場合は事前に相談すると良いでしょう。

作品を高く売却するポイントとしては、熊谷作品特有の鮮やかな発色を保つことが重要です。日焼けや退色が少なく保存状態が良好なもの、制作年や由来が分かる作品は査定評価が上がります。身近な命を描いた熊谷守一の作品は、近年再評価も進んでおり、市場での注目度も高いと言えます。お持ちの方はその独自の価値をぜひ専門の査定士に確かめてもらってください。

▼写真を撮って送るだけ!最短60秒で完了▼

LINEであなたの絵画の価値を無料で調べてみる

まとめ:岐阜のアートが秘める可能性

長良川の清流を原風景とし、日本の四季を詩情豊かに描き上げた川合玉堂。 中津川の歴史的風土を背に、武者たちの息遣いを壮大に蘇らせた前田青邨。 そして、ふるさとの自然の中で小さな命を見つめ、独自の「仙人」の境地を切り拓いた熊谷守一。

今回ご紹介した3人の巨匠は、それぞれ異なる形で岐阜県と深く結ばれ、この地の文化と美術史を豊かに彩ってきました。彼らの存在は、岐阜県が決してアートの辺境ではなく、日本画壇に新たな息吹を与え続けた「芸術のふるさと」であったことを物語っています。

そして、その物語は美術館の中だけで完結するものではありません。彼らが生きた時代、多くの作品が個人コレクターや支援者の手に渡りました。歴史ある岐阜県内には、今もなお、こうした巨匠たちの作品や、まだ光の当たっていない他の優れた作家たちの作品が、旧家の蔵や床の間で静かに眠っている可能性が大いにあるのです。

「これは誰の作品だろう?」「価値はあるのかな?」そんな疑問をお持ちの方は、下記のフォームから無料査定をお申し込みください。専門家が丁寧にお答えいたします。

絵画や骨董品、美術品、古美術を売るなら、
買取専門店「アート買取協会」にお任せください!

Avatar photo

アート買取協会 美術品情報監修チーム

創業25年以上、年間3万点の美術品・絵画・骨董品を扱う「アート買取協会」の査定員および専門スタッフによるチーム。
日々の査定業務で培った「目利き」の知見を活かし、作家や作品の解説から、最新の買取相場、美術品のお手入れ方法まで幅広く情報を発信。
初心者の方にも分かりやすく、正確な知識をお届けすることを目指しています。
古物商許可証:第541020001600号(愛知県公安委員会)

美術品買取コラム一覧をみる

美術品の売却が初めての方
「買取の流れ」をご紹介!
全国出張・宅配買取や無料査定も実施中!

買取の流れをみる

アート買取協会で
買取できる美術品

日本画、洋画、現代アートなどの絵画買取から掛軸、陶磁器などの骨董・古美術の買取まで幅広い美術品ジャンルを取り扱っております。
一覧にない美術品も取扱いがございますので、まずはお気軽にご相談ください。

絵画や骨董品、美術品、古美術を売るなら、
買取専門店「アート買取協会」にお任せください!