2022.06.21
「小木曽 誠」写真のように真実を写す写実作家
鬼講評で有名なYouTuberでもあり、そして佐賀大学文化教育学部准教授でもある洋画家、小木曽誠先生を紹介致します。
YouTubeで人気の鬼講評シリーズ
小木曽先生は西洋で生まれた画材を中心に使い、まるで写真のように真実を写す写実絵画を描かれています。先生自身はYouTubeの中では鬼講評シリーズが人気であり、その独特な辛口の中にも、とてもユーモアあふれる人柄が画面を通してもビシバシと伝わります。動画の中では絵の具のチューブを出す所からはじまり、テンポよく仕上がりまで一気に紹介しています。
様々な写実作家がおられるなか、SNSを多く利用しており、最近では卒業式が中止になった佐賀大のゼミの生徒さんの卒業証書に似顔絵とメッセージを一つ一つ書き、コロナ禍で卒業のイベントも中止になった生徒さんへ『普通じゃなかった年を忘れさせないために、困った状況の時に芸術の発想力が喜んでもらえることを、芸術コースで学んでいる学生と共有したかった。SNSが使いやすくなった時代に反して、何年も続くつながりが弱くなっている印象がある。ここで学んだ学生同士がこれからも長く繋がりをみせて欲しい』と先生からの特別な贈り物をツイッターに投稿したところ、1100以上の「いいね!」が寄せられたとの事です。先生の美術に対しての想いが本当に伝わります。
時を忘れるほどの緻密な美しさ
さてそんな魅力溢れる人柄の先生ですが、完成した作品を見た瞬間、その緻密な表現はあまりの美しさにこれは写真だと脳が錯覚してしまう感覚に陥るほどです。髪の毛の一本一本、肌のやわらかな質感や光の加減、服の感触までとても細密に描かれており、作品を眺めていると時間を忘れてしまう魅力に溢れた作家であります。
こちらはホキ美術館(日本人画家による写実絵画を展示してある)にて『森へ還る』シリーズです。
太陽の日差しと影の幻想的な森の中で、輝きを放つ女性二人。まるで目の前に存在するのかのようですね。
現在、ブームとも言える盛り上がりを見せている写実絵画の魅力は、知識がなくとも誰でも簡単にビジュアルで楽しむことが出来ることだと私は思います。
写実画は圧倒され、魅了されます。今後も注目されていくと確信しております。