作家・作品紹介

富岡鉄斎の富士展

コロナ禍での鉄斎の富士展

コロナでの騒動から約一年以上が経ち、未だ終息が見えない中、世間ではまたまだ緊迫した日々と、終わりの見えない混沌とした生活が続いております。
この様な時世柄ですので、大型施設や美術館も休業も余儀無くされ、大規模な企画展も延期となり、非常に残念では有りますが、数ヶ月ほど前、私は兵庫県宝塚市にある清荒神の鉄斎美術館で開催されておりました「鉄斎の富士展」に行ってきました。
優雅でダイナミックな大作や、小品で愛らしい作品まで非常に見応えのある展示会でした。第二弾企画であった「鉄斎九十落款展」は残念ながら五月開催予定が延期となりましたが、再開した際は是非行ってみたいと思っております。

富岡鉄斎の富士展

儒学者でもある文人画家 富岡鉄斎

さて今回は私が大好きな作家ある富岡鉄斎さんをご紹介したく思います。

富岡鉄斎は幕末から大正末の90歳になるまで長寿を生きた、近代日本を代表する文人画家です。他の画家とは比べようが無い程の膨大な書物を読み漁り、あらゆる知識を身につけ、更に一万点以上にも及ぶ書画を残し、神社仏閣そ復興に尽力するなど、その偉業はあまりにも有名です。また常日頃から「私は画家では無い。学者である。私の絵を見るときはまず讃を読んで欲しい。」と言っている様に、画家というよりは儒学者としての自分で有りたいという意思表示を持った人物でした。

画の評価は晩年作になればなる程高くなり、八十歳代の作品が最高と言われております。
独学で絵を学んだ彼は、文房四宝にも大変興味を持ち、特に印章を所持した数は約600点にも上るそうですが、更にそれらを凌ぐ程に彼が夢中になったのが書物でございました。座右の銘に「万巻の書を読み万里の路を行く」とある様に89歳で亡くなる直前まで常に本を持ち歩き部屋を行き来していたそうです。
鉄斎の住んでいた家の書庫室の玄関口には「五千巻の書を読まざる者は、この部屋にいる事を禁ずる」という意味の扁額書が掛かっており、実際毎日この部屋から書物を取り出し本を読み、読み終えると次の日その本を書庫室に戻して新に読む本を持ってくる日々だったそうです。

富岡鉄斎の書画の特徴

鉄斎の書画の特徴や素晴さを表現するとすれば、それは重厚でリズミカルなまでの墨走であったり、愛らしくもある独自の人物表現法や大胆な構成や眩い色彩など、従来の南画には考えられなかった造形の表し方が挙げられるのではないでしょうか。
更に年代毎に作品を眺めていくと、画題や画風の変化の超越し一貫して文人学者としての意識が底流れにあるのでは無いかと言われております。

近年では、富岡鉄斎先生の大規模な個展や企画展と少なくなってしまい非常に残念ではございますが、皆様の機会が有れば是非、鉄斎先生の魅力に触れられてはいかがでしょうか。

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