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今尾景年

作家名
今尾景年
ジャンル
絵画 日本画

今尾景年とは

京都衣棚通二条北入ルに今尾猪助の三男として生まれる。家は代々「伊勢屋」の屋号を持ち、三井呉服店出入りの友禅悉皆業だった。安政2年(1855年)11歳の時浮世絵師梅川東居に弟子入りする。東居は梅川東南の門人で、銅版画の技術もあったという。3年後の安政5年(1858年)、東居の執り成しで鈴木百年に入門。百年の「年」と、絵心のあった父の敬愛する松村景文の「景」を合わせて「景年」と号する。一方で詩文は三国香眠に学びながら、大和国や丹波国へ矢立を持って写生に出かける生活をする。禁門の変で生家が焼失し、明治初期は南画以外の日本画は不遇の時代であったが、却って懸命に絵の研究に熱中する。塩川文麟らによって結成された如雲社の月例品評会に作品を持ち寄り、生活のため友禅の下絵を描きながら家塾を開いて研鑽を積む。

明治8年(1875年)京都博覧会で洋画の田村宗立と共に受賞、明治10年(1877年)第六回京都博覧会でも「牧童図」で銀賞を受ける。この頃から「花鳥画譜」の制作を志し、博物学者山本章夫に指導を受けるほど科学的かつ精密な写生を重ねた。明治24年(1891年)西村総右衛門によって刊行された『景年花鳥画譜』4冊は、景年芸術の真髄と評される。青年期の作品は、師百年の影響もあって南画風があるが、花鳥画に精力的にこなすようになると、沈南蘋や宋の院体画を学んだあとが窺えるようになる。明治13年(1880年)京都府画学校設立に伴い出仕。明治15年(1882年)第一回内国絵画共進会で「鯉魚図」が銅賞を受け、パリ日本美術縦覧会にも作品を送る。明治18年(1885年)奈良博覧会に出品した「余物百種の図」が一等金牌を受賞、これにより景年は世に認められるようになった。

明治26年(1893年)シカゴ・コロンブス万国博覧会に代表作となる「鷲猿図」(東京国立博物館蔵)を出品し、名誉賞牌。明治28年(1895年)京都後素協会(旧如雲社)設立に際しては委員長となる。同年京都で開かれた内国勧業博覧会では5人の大家が屏風絵を描くが、景年は「耶馬溪図」で二等妙技賞を受ける(一等妙技賞は橋本雅邦の「十六羅漢」)。明治29年(1896年)日本絵画協会第一回共進会に「芥子雀」「鳩」を出品し銀牌。景年の画業が最高潮に達したのはこの頃の50代の壮年期で、竹内栖鳳や山元春挙らと共に日本画の近代化運動の一翼を担い、明治前期の京都画壇で実力を誇った鈴木派にあって、鈴木松年、久保田米僊らと並び評された。

明治33年(1900年)パリ万博は「春山花鳥図」で銀牌、明治37年(1904年)セントルイス万国博覧会では「四季花鳥図」で金牌を受賞。同年、望月玉泉と共に帝室技芸員となる。明治40年文展開催と共に審査員を務めるが、第六回文展の「躍鯉図」を最後に審査員を弟子の木島桜谷に譲る。明治44年(1911年)イタリア万博に「寒月群鴨図」で4000リラの賞金を得た。大正8年(1919年)帝国美術院会員となる。最晩年は茶の湯や盆栽などの趣味三昧に過ごし、大正13年79歳の生涯を閉じた。 弟子に木島桜谷、小林呉嶠、海野美盛など。

今尾景年の主要作品

・鷲猿図 (東京国立博物館)
・松間朧月図 (東京国立博物館)
・蕉陰双鶏図 (京都市美術館) 絹本着色 六曲一双 明治24年(1891年)
・耶馬溪図 (静嘉堂文庫) 絹本墨画淡彩 六曲一双 明治28年(1895年)
・遊鯉図 (京都国立博物館)
・白桃鸚可図・牡丹小禽図 (京都国立近代美術館) 絹本着色 双幅 明治38年(1905年)
・蓮池遊亀図 (京都・三千院) 紙本墨画淡彩 襖10面 明治39年(1906年)
・蟠龍図天井画 (南禅寺法堂) 南禅寺境内に「今尾景年画龍碑」が残っている

(参考出展:wikipedia)

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