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国吉康雄 クニヨシ ヤスオ

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国吉康雄

1906年、岡山県立工業学校を中退し、単身アメリカへ渡る。翌年シアトルからロサンゼルスに移り、同地の公立学校に通う。教師の助言により、ロサンゼルス・スクール・オブ・アート・アンド・デザインに通い、3年間学ぶ。1910年ニューヨークに移り、ナショナル・アカデミー・オブ・デザイン、インディペンデント・スクール・オブ・アーツで学んだ後、1916年アート・ステューデンツ・リーグに入学、ケネス・ヘイ・ミラーに師事。在学中、ニューヨークの反アカデミズム系作家集団「ペンギン・クラブ」の会員となり、中心メンバーのジュール・パスキンと親交を結んだ。1921年、ニューヨークのダニエル画廊で初個展。子供や牛を題材にした、プリミティブで幻想的な画風は、徐々にアメリカの画壇でも認められていく。

その後1925年・28年と2度に渡ってヨーロッパを旅行するが、2度目の旅行を契機にして、従来の幻想的画風から写実的な表現へと大きく変化していく。この画風の変化は、パリで行動を共にすることが多かったパスキンらエコール・ド・パリの作家の影響が大きい。中でも、大恐慌後の暗い世相を背景にした、憂愁や倦怠、孤独感などを漂わせた女性像(「横たわる女」など)は、その後の彼の作品の中心的モチーフとなっていく。1929年、ニューヨーク近代美術館の「19人の現存アメリカ画家」展に出品、1931年にはカーネギー・インスティテュート主催の国際美術展で佳作を受賞。アメリカでの評価が高まっていく中、同年日本に一時帰国、マスコミなどの熱烈な歓迎を受ける。1933年には母校のアート・ステューデンツ・リーグの教授に就任、以後没年まで20年間その職にあった。

1935年に発表した「デイリー・ニューズ」あたりを境に、彼の画風は従来の社会的な要素に加え、新たに心理的な側面も色濃くなってくる。これは、帰国時に体験した日米間の文化的ギャップや、身辺に起こった数々の不幸などによって余儀なくされた、祖国喪失者としての自覚や、それに対する苦悩や葛藤の表れとされる。さらに、1941年の開戦に繋がる日米関係の急激な悪化が、その陰影をより深いものとした。

日米開戦後は、友人達の尽力などによって強制収容所入りは免れたものの、敵国人としての苦境は変わらず、日本向け短波放送で反戦を訴えたり、反日ポスターの製作などを行ったりしている。戦中に製作された「誰かが私のポスターを破った」「飛び上がろうとする頭のない馬」などは、戦争の悲劇や人間存在への虚無感を強く感じさせるが、同時に微妙な立場に置かれた彼の深い苦悩と、リベラリストとしての抵抗を物語っている作品とも言える。 戦後は、当時台頭しつつあった抽象表現主義やシュルレアリスムも意識した、赤を主調とした重々しい雰囲気の画風に転じる。仮面をつけた一連の人物像などは、戦後の不安感を強く暗示していると言われる。1948年ホイットニー美術館で、現存作家としては初の回顧展を開催。1952年には第26回ヴェネツィア・ビエンナーレに、アメリカ代表として出品。同年の移民帰化法の成立により、ようやくアメリカ市民権を保有する資格が生じたものの、その手続きが完了する前に、翌年胃癌のため死去。

死後間もなくニューヨークで追悼展、東京で遺作展がそれぞれ開催された。現在では、ベン・シャーン、エドワード・ホッパーらとともに、20世紀前半のアメリカを代表する画家の1人として評価され、その名声は世界的なものとなっている。代表作は前記の他に、「牛のいる風景」「夏の嵐」「私は疲れた」「二つの世界の間」「祭りは終わった」「舞踊会へ」など。2004年には「カフェ」が日本郵政公社発行の『日米交流150周年記念』切手デザインとなった。

・自画像
・牛と小さなジョー
・フルーツを盗む少年
・横たわる女
・私は疲れた
・牛乳列車
・夏の嵐
・2つの世界の間
・誰かが私のポスターを破った
・製作中
・ひっくり返したテーブルとマスク
・飛び上がろうとする頭のない馬
・祭りは終わった
・寡婦
・カーニバル
・舞踊会へ
・ミスター・エース
・もの思う女

1889 岡山県に生まれる
1906 渡米。働きながらロサンゼルス美術学校夜間部に通う
1945 「第56回アメリカ絵画年次展」でノーマン・ウェイト・ハリス青銅牌を受賞
1953 ニューヨークで死去

国吉康雄の鑑定機関・鑑定人

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