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作家・作品紹介

九谷焼の人間国宝 三代 徳田八十吉

今回は九谷焼の人間国宝 三代 徳田八十吉を紹介します。

九谷焼の人間国宝 三代 徳田八十吉 九谷焼

徳田八十吉の作品特徴

三代 徳田八十吉の作品は、従来の九谷焼のように、絵柄(山水・人物・花鳥風月)ではなく、「彩釉(さいゆう)」という、色の濃淡(グラデーション)のみで作品を仕上げる技法が大きな特徴です。
九谷焼には、もともと「九谷五彩」といって、赤・紺青・黄・緑・紫の五色が使われていますが、このうち赤は酸化鉄である紅柄で、ガラス質となる釉薬(ゆうやく)ではないので、四彩を基本としています。


九谷焼の人間国宝 三代 徳田八十吉 れい明

美しいグラデーション「彩釉(さいゆう)」

九谷焼の歴史は江戸時代の古九谷から始まり、一度歴史から消滅しました。それを祖父である初代が再現し、父二代が現代的作風に昇華しました。
三代は初代から、家族・門弟にも明かさなかった釉薬の調合法を譲り受けました。
その調合を少しずつ変えた釉薬を各種作り、黄色から緑、緑から紺、紺から紫の間にどれだけの変化があるか試し焼きをすると、約70もの色が識別可能であることがわかりました。
そこで色目の諧調にしたがって筆で順番に線を描き並べて高温で焼成してみると、
境目が溶け合い美しいグラデーションが生まれました。
これが九谷焼の歴史に新たに刻まれた「彩釉(さいゆう)」という技術です。


九谷焼の人間国宝 三代 徳田八十吉 燿彩線文壷

光り輝く「耀彩(ようさい)」

通常の九谷焼の工程では、素地を成形し、素焼して施釉のあとに本焼き、それに呉須(ごす)という顔料で絵柄の輪郭を描き、その上に厚く絵の具を乗せて、約800度で焼成します。
しかし、三代 徳田八十吉は、絵付け焼成を約1050度という高温で行います。
すると、表面がガラス化し、釉の中に色彩、輝きを閉じ込めることができます。
そうして生まれたのが「耀彩(ようさい)」です。
まさしく「光り輝く色彩」なのです。


九谷焼で吸い込まれるような宝石の輝きを表現したい

もうひとつ、三代 徳田八十吉は意外なところからもインスピレーションを受けています。
二十代の頃、宝石の澄んだ色と輝きに魅せられ、古九谷の色を使って「宝石」を表現したいと考えるようになりました。
そして、成分を微調整した数十種類もの色釉を用いてグラデーションを創造し、表面の微細な凹凸による影や乱反射を抑える為、丁寧に丁寧に磨き、ついに輝くような光彩を生み出したのです。
発表当時こそ「こんなものは九谷焼じゃない」と作品を否定する声も上がりましたが、
初代、二代と、それぞれ個性的な表現があったように、耀彩は九谷焼の新しい技法として認められ、高い評価を受けるようになりました。


「人間国宝」から世界へ

三代が絵付けで追求した抽象的な世界は、日本の伝統である色絵磁器を大きく発展させ、
平成9年に重要無形文化財 採釉磁器保持者(人間国宝)に認定されました。
また、ニューヨークのメトロポリタン美術館には「耀彩線文壷(ようさいせんもんつぼ)」が所蔵され、大英博物館ジャパンギャラリー入口には「耀彩壷・恒河(ようさいつぼ・こうが)」が展示されるなど、世界的にも高い評価を得ています。

九谷焼の人間国宝 三代 徳田八十吉 燿彩壷 落款

余談ではありますが、作品の裏には『八十吉作』という銘があります。
『作』の字が下に伸びているのは平成3年~8年まで使用した落款(らっかん)です。
『作』の字の旁(つくり)がはねているのが、平成9年に人間国宝に認定されてから亡くなるまで使った最晩年の落款(らっかん)です。
みなさまがお持ちの作品はどちらでしょうか。


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