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作家・作品紹介

アール・ヌーヴォー(新しい芸術) アルフォンス・ミュシャ

アール・ヌーヴォー(新しい芸術) アルフォンス・ミュシャ

美術・芸術がお好きな方は「アール・ヌーヴォー」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。「新しい芸術」という意味のフランス語で19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパから広まった国際的な美術運動のことをいいます。
「アール・ヌーヴォー」は、花や昆虫などの自然をモチーフにし、それらを自由な曲線と組み合わせた装飾的なデザインが特徴です。

また、当時のフランスは日本の影響を強く受け、ジャポニスムが流行しました。ガラス工芸のエミール・ガレやジュエリー作家(のちにガラス工芸に転向)のルネ・ラリックの作品には、日本の影響が顕著にみられます。

今回は、現在も世界中で高い人気を誇る画家、アルフォンス・ミュシャを紹介します。


アール・ヌーヴォー(新しい芸術) アルフォンス・ミュシャ

アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha、1860年~1939年)は、オーストリア帝国のモラヴィア(現在のチェコ)に生まれました。

奨学金を得てドイツのミュンヘンの美術学校で絵画の技術を学び、27歳のときに留学生としてパリのアカデミー・ジュリアンに入学。当初は挿絵などを書いていましたが、やがてアール・ヌーヴォー様式の画家として大人気となります。多くの商業用のポスターや、装飾パネルなどを制作しました。


アール・ヌーヴォー(新しい芸術) アルフォンス・ミュシャ

一番の転機はミュシャが34歳のとき、偶然当時「フランス演劇界の女王」とも呼ばれる舞台女優サラ・ベルナールが主演する芝居の劇場ポスターのデザインを依頼されたことです。その成果となる《ジスモンダ》(1894)は、従来のポスターと一線を画して大好評を博し、ミュシャがポスター作家として知られるきっかけになりました。その後、サラ・ベルナールの専属デザイナーとなり、ステージ・セットや衣装のデザインなども手がけました。

19世紀末から20世紀の初頭は芸術性の高いポスターがたくさん作られ、「ポスターの黄金時代」と呼ばれます。ミュシャの他にロートレックやスタンランらが活躍しました。ポスターは商業の宣伝用として作られましたが、当時からコレクターが存在し、サラ・ベルナールは大量にミュシャのポスターを刷らせ、大きな利益を得ました。

ミュシャが大量印刷できるポスターにこだわったのは、民衆の芸術運動としてイギリスに始まった、「アーツ・アンド・クラフツ運動」の理想を共有し、一般の人々のための芸術を目指したからでした。アーツ・アンド・クラフツ運動は、アール・ヌーヴォーの理念に影響を与えました。


アール・ヌーヴォー(新しい芸術) アルフォンス・ミュシャ

ミュシャのポスターや装飾パネルは、リトグラフ(石版画)という技法で作られています。石版の表面を削ることなく、水と油の反発を利用して油性の画材で絵を描いて刷る技法で、版が痛みにくく、大量に刷ることができる特徴があります。リトグラフは18世紀末に発明され、20世紀初頭まで用いられましたが、次にジンク版にかわり、現在はアルミ版が使われています。

ミュシャの代表作には《ジスモンダ》のほか、《黄道十二宮》(1896)や《夢想》(1898)、連作《四芸術》(1899)による《絵画》と《詩》、連作《四つの宝石》(1900)など、花や宝石をモチーフにした「円」の中心に、魅惑的な女性の姿と様式化された装飾の組み合わせが描かれた作品を見ることができます。これらのポスター・デザインは、ミュシャのアール・ヌーヴォーの旗手としての地位を不動のものとしました。


日本では1900年代初期、ミュシャ様式はパリの日本人留学生によって日本国内に紹介され、明治の文芸誌にはミュシャ風の表紙が登場しました。戦後になると、ミュシャによる花や装飾的な円、曲線の髪などのモチーフは、日本の少女マンガやファンタジー作品に大きな影響を与え、水野英子、山岸凉子、花郁悠紀子、松苗あけみなどの少女マンガ家や、天野喜孝、出渕裕など、上げるときりがありませんが、その影響をみることができるでしょう。

2019年から始まったミュシャの全国巡回展が年内続いております。
新型コロナウィルスのため展覧会スケジュールにも変更等でておりますが、美術に触れることができるようになった頃には、新しい芸術「アール・ヌーヴォー」に触れてみてはいかがでしょうか。

2020年4月25日~6月28日 名古屋市美術館
2020年7月11日~9月6日 静岡県立美術館(予定)
2020年9月19日~11月29日 松本市美術館

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