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作家・作品紹介

手仕事に美しさを見出す -濱田庄司

柳宗悦や、過去にこちらのコラムでも紹介したことのある河井寛次郎らが起こした、日本独自の美術運動「民藝運動」。日常的な暮らしの中で使われてきた、手仕事の日用品の中に「用の美」を見出すという運動で、現代にまでその流れは続いています。

今回ご紹介する濱田庄司(浜田庄司)は民藝運動に尽力したうちの一人です。
濱田は1894年に現在の神奈川県川崎市で生まれました。東京高等工業学校窯業科に入学後は、近代陶芸の開拓者といわれた板谷波山に師事、卒業後に民藝運動を共にする河井寛次郎と共に、京都市立陶芸試験場にて主に釉薬の研究を行いました。1920年にバーナード・リーチに同行し渡ったロンドンでは個展も開き成功を収め、帰国後は栃木県益子町に窯を据えます。

手仕事に美しさを見出す -濱田庄司

素朴さと力強く大胆なデザイン

濱田の作品は益子の土と釉薬を用い、手轆轤で形を作った素朴で暖かな土台に、流釉で表した大胆なデザインや塩釉・赤絵などの様々な技法を用いて作られています。それらの中でも代表的なものは、黍文(きびもん)などの純朴な絵付けと釉薬を柄杓でかける流し掛けです。1920年代頃から浜田の作品に描かれている黍文ですが、これは英国帰国後に訪れていた沖縄で触れた唐黍(とうきび)から生まれたといわれています。力強い筆使いを用いて描かれている唐黍文は、初期の写実的な表現から次第に簡略化しつつ、絵画よりも書に近づいたという指摘がなされるように、変遷を起こしながらも浜田作品のトレードマークとして描かれ続けています。この“流し掛け”の技法にこんなエピソードが残っています。


手仕事に美しさを見出す -濱田庄司

「15秒プラス60年」

大皿に向かって手柄杓を持った右手を高くかかげながら、釉薬をたらし込むようにスラスラとフリーハンドで一筆書きのように流し込む濱田。その工程を観ていた訪問客が「早すぎて物足りなくないか」と尋ねたところ、「今の絵付けは15秒かもしれないが、15秒プラス60年と思ってください」と答えたそうです。試行錯誤を繰り返し年月をかけて習得した技術であるからこそ、はた目には簡単におこなっているようにみえるのだと思います。流し込む時間は考える間もないくらいの一瞬ですが、この一言には濱田が陶芸人生に掲げた想いが込められており、日々精進することの大切さを気づかされます。

民藝運動への功績

濱田の作品は東京・目黒の日本民藝館や、旧居に自らの仕事の参考とした蒐集品を展示してある濱田庄司記念益子参考館などで見ることが出来ます。特に日本民藝館はアジア・欧米から蒐集した17000点にも及ぶ工芸品が収められており、国内外の民衆的工芸について知ることが出来ます。出かけるにも快適になってきたこの時期、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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