作家・作品紹介

幻の陶磁器「セーブル(SEVRES)磁器」

幻の陶磁器「セーブル(SEVRES)磁器」

ヨーロッパの歴史ある高級食器ブランドといえば、ドイツの「マイセン」やイギリスの「ウェッジウッド」を思い浮かべる方は多いと思います。日本でも百貨店などで取り扱っているため、目にする機会もあることでしょう。しかし、この2つに並ぶ超一流の窯が実はフランスにもあるのです。その名は「セーヴル」。あのポンパドゥール夫人や王妃マリー・アントワネット、さらには皇帝ナポレオンにも愛され、フランスの宮廷文化を彩ってきた由緒正しき窯で、フランスの王室御用達窯として名を馳せ、ヨーロッパ磁器の最高峰のひとつとして、約300年の歴史を誇っています。
しかし、セーヴル窯の陶磁器はなかなかお目にかかることができません。その理由は、セーヴルはフランスの国有窯として特別なセレモニーなど国家に収めるため、また外国への贈り物などに使うための注文がほとんどだからです。完成に多くの時間と手間を要するので、年間生産数も約6000ピースほどと言われ、市場に出回ることが少なく、その希少価値の高さから「幻の陶磁器」とも呼ばれています。


幻の陶磁器「セーブル(SEVRES)磁器」

セーヴル窯の発展とポンパドゥール夫人

セーヴル窯は1738年に、パリ東部のヴァンセンヌ城内に設立されたヴァンセンヌ窯がその始まりです。日本の古伊万里や柿右衛門の写しを製作していたデュポワ兄弟を招いて開設しましたが、当初の評価は厳しいものでした。しかし、開設から4年後に陶工のフランソワ・グラヴァンが組織を再編成したことにより、技術が飛躍的に向上しその成果は高く評価され、多くの貴族たちの注目を集めました。

セーヴル窯の発展にはルイ15世の公妾で芸術の庇護者でもあるポンパドゥール夫人の存在が大きく関わっています。1751年、ポンパドゥール夫人の進言により独占事業として保護され、1756年には夫人の住むベルヴュー城に近いセーヴルへ移転、1759年には「王立セーヴル製陶所」となって金彩や色絵の独占使用の勅許を受け、優位な立場で王侯貴族の為の贅沢品を生み出しました。彼女は当時一流の科学者や芸術家を次々とセーヴルに招くだけではなく、自ら工房に赴いての監督を行うなどセーヴル焼の発展に注力しました。
1789年のフランス革命によって窯は一度破壊されたものの、1804年にナポレオン1世により「国立セーヴル製陶所」として再興し、1876年にセーヌ川沿いに「国立セーヴル陶磁器製作所」が建てられ現在に至ります。


幻の陶磁器「セーブル(SEVRES)磁器」

フランスらしい意匠と独自の色彩

セーヴル磁器は優美なロココ調から、重厚なアンピエール(エンパイア)様式まで、時代に合わせたフランス独自の意匠を施していきました。代表的な色彩ともいえる、「ブリュ・ド・ロワ(国王の青)」や、中国の釉軸の影響を受けた「ローズ・ド・ポンパドゥール(ポンパドゥールの薔薇色)」などの色彩を生み出したことも、人々を魅了し続けてきた証です。芸術性と希少性、どちらの観点からも価値が高いセーヴル磁器は、コレクターにとって憧れの陶磁器といっても過言ではありませんね。

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