作家・作品紹介

ミロ 日本を愛した現代スペインの巨匠

ミロはピカソダリと並ぶ現代スペインを代表とする巨匠として世界で長く愛されています。
そんなミロの国内で20年ぶりの大規模回顧展「ミロ展-日本を夢見て」が2月11日〜4月17日にBunkamura ザ・ミュージアム、4月29日~7月3日に愛知県美術館、7月16日〜9月4日に富山県美術館にて巡回展として開催されていました。

若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作、そして日本で初めて展示された作品、さらには本人のアトリエにあった日本の民芸品や批評家の瀧口修造との交流を示す資料など、約130点の作品や資料を通じてミロと日本の深いつながりを紐解く展覧会です。
絵画から彫刻、版画、陶器など幅広い創作活動の裏には日本文化へのあこがれが感じられ、浮世絵や俳句を通じて日本に憧れた初期の代表作から、民芸や書、焼き物に触れた戦後の大作までミロと日本の90年の歩みをたどることができる回顧展となっておりました。

ミロ 日本を愛した現代スペインの巨匠
アンリク・クリストフル・リカルの肖像

ジャポニズム・ブームのなか生まれたミロ

1888年、バルセロナでは万国博覧会が開催されました。博覧会では日本の美術工芸品にも注目が集まり、バルセロナではジャポニズム・ブームが沸き起こります。そんなバルセロナに5年後の1893年にミロは生まれます。ミロの生家の近くには日本美術の輸入販売店があり、周囲には俳句の魅力に取りつかれた詩人がいました。こうした環境でミロが日本文化への思いを募らせていくのは必然だったのかもしれません。この影響を見て取れる作品が「アンリク・クリストフル・リカルの肖像」で、実物の浮世絵をコラージュした油彩作品となっています。また、戦後ミロは日本の陶器の技術を学んだアルティガスのもとで陶芸に熱中し、友人たちが日本から持ち帰った民芸品の数々に魅了され、自らも日本風の作品を作るようになりました。


ミロ 日本を愛した現代スペインの巨匠

寺院、窯、書家をめぐり受けた影響

そうして1966年の回顧展を機に初来日を果たしたミロは、京都の竜安寺や奈良の東大寺、信楽などの各地の窯と日本各地を飛び回り、直接日本の文化に触れました。
「日本の書家たちの仕事に夢中になったし、確実に私の制作方法に影響を与えています」とも語っているように来日後のミロは積極的に日本の文化を作品に取り入れます。
特に書道における滲みや跳ねの動き、黒く太い線描などはその後の作品に度々みられるようになりました。
晩年のミロのアトリエには日本の民芸品や日本文化にまつわる画集が数多く収められていたそうです。

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