作家・作品紹介

一瞬を永遠に 荒木経惟

黒の丸縁眼鏡がトレードマークで「荒木」と「アナーキー(無秩序)」の言葉をもじり「アラーキー」という愛称で知られた写真家の荒木経惟(あらき のぶよし)。今回は被写体を通し生と死を見つめる作品と活動についてご紹介します。

一瞬を永遠に 荒木経惟

花ひらいた絵画文化

そもそも写真とは何か、何を伝えたいのか、何の為にあるのか…。表現方法の原点に帰ったときに避けては通れない『絵画』。現在は鑑賞やインテリア、癒しとして私たちの生活にも浸透しています。絵画は一説によるとインドネシアの洞窟に描かれた4万5500年前のイノシシの絵が最古の絵画と言われています。その後宗教や人の営みを次世代に伝える手段として描かれ、ジャーナリズムを含んだ絵画や富裕階級の文化として花開きました。描く側の人間も、技術者からアーティストと呼ばれ、画商なども誕生し市場が確立されました。

時は19世紀。空間を切り取り永遠に残せる写真という技術が生まれました。その結果、絵画作家はまた新たな目的を定め、今までとは違う道のりで作品を作り上げていきます。


一瞬を永遠に 荒木経惟

一瞬を永遠に

1940年、荒木経惟は東京に生まれます。アマチュアカメラマンだった父の影響もあり高校時代からカメラ雑誌やオートバイ雑誌への写真投稿を始めます。千葉大在学中に雑誌で入選するなどカメラマンとして頭角を表しており、電通に入社しました。

そんな荒木が広く世に評価されるようになったきっかけは、最愛の妻である青木陽子との新婚旅行を記録した写真集「センチメンタルな旅」、その後、42歳で亡くなった陽子夫人を棺に入れ最後の顔写真を掲載した写真集「センチメンタルな旅・冬の旅」の出版です。当時賛否両論が分かれましたが、彼自身の世界観である『エロ(生/性)』と『タナトス(死)』が被写体を通し強く表現されており、彼自身が求めている“一瞬を永遠にする”表現方法が詰まっています。以後、自身の写真世界を『エロトス』と称し活動を続けています。


一瞬を永遠に 荒木経惟

今をいかに生きるか

荒木自身、2008年に前立腺癌の手術をし、2013年には右目網膜中心動脈閉塞症により右目の視力を失うことになります。しかしそれすらも今の自分の表現に変え、翌年には作品の右側を黒く塗りつぶした作品など、彼自身に向かう死を吹き飛ばすつもりで「左眼ノ恋」というシリーズを発表しました。今日でも精力的に活動しており、これまでに500冊以上の写真集を出版。直近では京都現代美術館で作品写真を「花画」と題し、7つのテーマに構成、約150点が展示され、話題を呼びました。

現在83歳の荒木経惟。刺激的な作品が多い彼の作品ですが、改めて鑑賞すると、芸術性の高さと生命の存在を感じます。是非あなたも「アラーキワールド」を覗いてみてみませんか?

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