2022.02.15
フランク・ステラは、戦後アメリカの抽象絵画を代表するアーティストの一人で、1950年代以降の現代美術の発展を体現したアーティストです。芸術制作の慣習に常に挑戦し、その定義を拡大するような幅広い作品を制作。抽象表現主義の限…
2022.02.08
父親の転勤のため静岡県磐田市で生まれ、現・名古屋市立工芸学校に学んだ宮永岳彦は、1936年に松坂屋名古屋本店に入社。松坂屋銀座店宣伝部に勤務しながら創作活動を行っていました。宣伝用の図案を手掛ける中で画家としての頭角を現…
2022.02.01
19世紀後半から20世紀前半にかけて、パリ北部に位置するモンマルトルには多くの芸術家が集まり、後世に続く芸術作品が次々と誕生していきました。この界隈には、マネやルノワール、ピカソ、ロートレックといった芸術家たちが愛した酒…
2022.01.25
闇があるから光がある、どこかで聞いたことがありそうな言葉ですね。ですが、心象をとらえる名手であり生涯を通して絵描きであり続けた平野遼の作品をじっと見つめているとそんな言葉を深く実感できます。 少年期から青年期の苦労 昭和…
2022.01.18
京都駅から清水寺へ行く途中、京都の街並みに溶け込むように町屋風の記念館がございます。そこは、柳宗悦、濱田庄司らと共に、日本に民芸品(日常的な暮らしで使用された手仕事の日用品)の美術的価値を広めた「河井寛次郎」の住まい兼仕…
2022.01.11
日本画家でありイラストレーター、絵本作家の顔をももつ異色の画家、中島潔。 何処か懐かしくもあり哀愁を感じる作風が特徴的です。 今回は「風の画家」として知られる中島潔をご紹介します。 童画 子供たちを題材にした作品は彼の代…
2021.12.28
マイセン磁器は1709年にヨーロッパではじめて白磁の焼成に成功して以来、今日まで西洋陶磁器界の最高峰の地位を保ち続けています。もともと中国の五彩磁器や日本の伊万里、柿右衛門の影響を受けていると言われていますが、どうしてマ…
2021.12.21
今回は誰の記事を書こうかと考え始めた頃は、雨が降っていて少し気持ちが沈む天気でした。それでも冬の空気が澄んだ中、雨上がりのカラッと晴れた青空を思うと気持ちも晴れてくるから不思議です。そんな雲一つない空の「青」から、今回の…
2021.12.14
具体的なイメージや描き上げる形は無く、ペインティング・ナイフによって繰り返し塗り重ねられた絵の具が、結果として独特な物質感をもって表現されていく。 今回は日本を代表する抽象画家の山口長男(たけお)をご紹介します。 創作活…
2021.12.07
日本の代名詞ともいえる富士山と桜は、昔から多くの芸術作品のモチーフとなっています。皆さんも桜や富士山を描いた作品を一度は見たことがあるのではないでしょうか?その中でも、富士山といえば大観、大観といえば富士山とも言われるこ…
2021.11.30
幼いころに触れられる美術作品とは何だろうか?私の周りにはどんな作品があったのか?ふと、そんなことを考えた結果、一番身近にあったのは「絵本」の挿絵だったと思い至りました。実際に絵画のオークションでは、絵本作家の「いわさきち…
2021.11.24
先日の令和3年秋の叙勲では、スポーツ振興の分野から「長嶋 茂雄」、歌舞伎から「尾上 菊五郎」、そして洋画からは「絹谷 幸二」等、9名の方々が文化勲章を受章され、その功績がニュースを賑わしておりました。 今回は、座右の銘を…
2021.11.16
“取り扱い注意”の画家 こちらの作品を見て皆様はどのような言葉が思い浮かびましたか? 例えば「美しい」、「衝撃的」、「過激的」などの言葉を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は日常では感じないような感情…
2021.11.09
『宗匠(そうしょう)』とは、文芸・技芸にすぐれ、師である人。特に、和歌、連歌、俳諧、茶道、香道、華道などの師匠をいう。と、解説されます。今回は茶道をたしなむ方であれば知らない人はいないであろう、裏千家の宗匠「鵬雲斎」につ…
2021.11.02
ポップでカラフルな版画で、100色以上という異例の色数の多さでセンセーションを巻き起こした山形博導は、多くの人にはヒロ・ヤマガタの愛称で呼ばれています。同じ時代の人気作家には、鈴木英人、ラッセンといった人気のインテリアア…
2021.10.26
世紀を超え105歳まで生きた日本画の巨匠であり、文化功労者。上村松園・片岡球子らと共に日本を代表する女性画家として称される小倉遊亀をご紹介いたします。 73年に渡り院展に入選する 1895年滋賀県大津市に生まれた遊亀は、…
2021.10.19
色彩豊かで他を圧倒する筆捌き 今回は中国近代水墨画家として人気の高い王成喜についてご紹介いたします。 王成喜は1940年に中国河南省に生まれました。 1966年に中央美術工芸学院を卒業し、現在は国家一級美術師で有り、全国…
2021.10.12
闇は人間にとって恐怖の対象でありながら、同時に人間を強く惹き付けるものといえます。ホラー映画、ホラー小説、ホラーゲームが現代でも大きな人気を博している事からも、それは明らかではないでしょうか。そして、それは絵画をはじめと…
2021.10.05
1953年スペインの古都バレンシアの郊外に暮らすリヤドロ家の三兄弟、ホアン・ホセ・ビセンテによって創業された磁器ブランド「リヤドロ」。リヤドロの製作は、今も変わらず全て手作業で行われており、その製造はなんと14以上もの工…
2021.09.28
初めて藤井勉の作品を見たとき、私はその絵の中の少女に愛らしさの反面、どこか冷たい印象を覚えました。飾りのない風景の中で凛と一点を見つめる少女の、幼いような、しかしどこか大人びているような不思議な表情は、すこし奇妙にも映り…
2021.09.21
「絵を描く行為に入る前、私はこの尊に願いをかける。制作中の私は不動明王になりきることを念じ、不動尊が私の体をかりて作品を作られるのだと信じて制作をしている」 そう話す画家は、瞑想のひとときを過ごし作品を制作したそうです。…
2021.09.14
子どものようなイメージと鮮やかな色使い、彼の作品は飛び出す絵本のように楽しく、見る角度によって様々な表情を見せてくれます。今回はシルクスクリーンを用いた3Dアートの先駆者として知られるポップアーティスト「ジェームス・リジ…
2021.09.07
先日、人間国宝の故・加藤卓男が1990年に制作した陶壁の移設作業が行われたというニュースを目にしました。この陶壁はラスター彩で作られ、631枚の陶板を組み合わせて表現されているのですが、接着剤で固定された薄い陶器をはがす…
2021.08.31
盲目の旅芸人 瞽女(ごぜ) 先日、久しぶりに訪れたミニシアターで映画『瞽女 GOZE』を観てきました。これは最後の瞽女と呼ばれる小林ハルの生涯を描いた作品です。生後3か月で光を失ったハルの過酷な一生を軸に、当時の瞽女の生…